2023団扇扇子商況インタビュー/平井星光堂・伏見上野旭昇堂

(株)平井星光堂 平井孝治 社長

「コロナ前の7割回復(金額ベース)」

今年の夏物商材の販売は、7月中旬になっても割と尾を引いて動いています。自然がおかしくなってきているのは間違いないようです。営業的には3年前にコロナでドーンと落とされましたが、今はコロナ前に比べて7割少しくらいまで回復しています。

ただ、これは金額ベースの話で、数量ベースではそれほど回復はしていません。金額ベースの回復は値上げによる影響が大きいです。コロナ前からの取引先が、久しぶりにうちわで販促品をつくることにしたのですが、値段を聞いて目を丸くされるのが現状のお客様の反応です。

昨年は業界初の大幅値上げをしましたが、思っていたほどの数量減はありませんでした。今年もまた同じような値上げをしましたが、あらゆるものが値上がりするなかで、止むを得ない価格改定です。


(株)伏見上野旭昇堂 上野泰正 社長

「付加価値高める商品作りへシフト」

今年のうちわ・扇子の販売は、お陰様でいい数字で推移しています。注文量は昨年の120%ほど。コロナ前の水準にはまだ届いていませんが、最近の受注内容については、プラス面、マイナス面が明確になって来ました。

プラス面としては、祭やコンサートなどのイベントが年初から復活し、うちわ・扇子の注文を頂くようになっています。加えて地方自治体の町内会の祭でも、大口・小口の注文が結構来ています。コンサートなどの場合、うちわは販促で配るというよりも応援グッズとして売られることが多い。そういう付加価値を求めて別注の引き合いが来ています。また、オンデマンド印刷の普及によって、小ロット対応が可能になってきました。

こうした動きに関連して、飲食店、ホテル、インバウンドを含めた観光で、名入れうちわの注文を頂いています。

 

2023年9月号(8/15発行)掲載

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