【カレンダーの日】暦文協「新暦奉告参拝」

(一社)日本カレンダー暦文化振興協会(暦文協/中牧弘允理事長)は、12月3日のカレンダーの日に明治神宮で、令和6年(2024年)の暦原本を奉告し、暦(カレンダー)を手にする全ての人々の平和と幸福を祈願する「新暦奉告参拝」を斎行した。昨年同様役員のみが参拝。同日の記念講演と暦予報の発表はリモートでライブ配信された。

講演に先立ち中牧理事長が「晴天の下、カレンダーの日の新暦奉告参拝を役員とともに滞りなく挙行することができました。本日は、国立歴史民俗博物館の小池淳一先生にご講演をいただきます。現在、歴博では『陰陽師とは何者か—うらない、まじない、こよみをつくる—『というタイトルの企画展示が開催中で連日大盛況です。その展示の展示代表が小池先生です」と紹介した。

記念講演/国立歴史民俗博物館教授 小池淳一氏 暦の神々と民俗

本日は暦と民俗との関係についてお話します。私の基本的な立場は、暦というものを生活の次元から、民俗や伝承といわれるような比較的文字に頼らない生活の中での習慣から捉えるということです。今自分が関心を持っていることで、これまでに明らかになったことをお話させていただき、私自身も勉強していきたいと思っております。

暦の場所とかたち

まず暦はどこにあるのかという妙な話から始めます。暦は家の中にあり、みんなで見るものですが、民俗調査のフィールドワークでは、暦が具体的に家の中でどのように置かれているのかを気にして見ています。

宮崎県椎葉村の民宿では、玄関の出入り口の上に暦が何冊もかけられていました。国立歴史民俗博物館の第四展示室には、東日本大震災で津波に遭って倒壊してしまった宮城県気仙沼市の尾形家を再現した展示があります。瓦礫の中から部材を拾い集めて再現したのです。その神棚の脇には伊勢神宮の御札が、そしてその横に暦が置かれています。尾形家では仏壇の横にも暦がぶら下げられています。こちらの暦は曹洞宗の寺から毎年もらうものです。この展示からも、暦は本棚に並べてあるものではないということがわかります。

 

2024年2月号(1/15発行)掲載

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