【商品開発】阪急電鉄(大阪市)「マルーン」に思いを込めて

関西の私鉄は各路線に競争区間があり、常に競い合う文化の中で利便性や個性を磨いてきた。

なかでも阪急電車は、(公財)日本生産性本部主催の「顧客満足度調査近郊鉄道業種」で15年連続1位を獲得。常に鉄道ファンの期待を担う存在である。

今回お話しを伺った「阪急電車館館長(※1)」の藤田雅之さんは、阪急沿線で育ったこともあり、小さな頃から熱烈な阪急電車ファン。念願の阪急電鉄に就職すると「駅員、車掌、運転士」として勤務。幼い頃に感じていた「鉄道ファンの気持ちをカタチにしたい」という思いが、そのまま現在のグッズ開発の原動力にも活きている。商品開発にかける熱い思いを尋ねた。

幅広い客層へアプローチ

仕事は商品開発にとどまらず、「阪急電車ファン全員集合」という公式YouTubeチャンネルの制作やファンイベントの開催など多岐にわたる。

電車グッズはコアな鉄道ファン向けとライトなファン向けの大きく2つに分かれる。コンセプトの違うお客様に販売するため販路も実店舗、ECサイト、イベント会場と客層に合わせて柔軟に設定。

特にコアなファン向け商品は鉄道好きの心理を知り尽くした藤田館長が自らデザインすることも多く、公式オンラインショップ「HANKYU DENSHA SHOP」やイベント会場で購入できる。「自分自身が少年の頃に感じていたこと。こんなものがあったらいいよね」という感覚や目線を大切に、また運転士として乗務した強みを活かして電車の運行に関連する部署間の調整ができることも、魅力あるグッズ作りに大いに活かされている。

 

2024年2月号(1/15発行)掲載

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