我が社の商品開発/丸紅木材「1本の木を無駄なく使いきる」

丸紅木材㈱(商社の丸紅とは別会社)は来年70周年を迎える大阪の木材専門商社。現社長の清水文孝さんは5代目にあたる。27歳で承継したとき、会社は7期連続の赤字で経営危機の状況にあった。それから17年の間に、事業の立て直しを図った清水社長は、新たに木製玩具ブランド「IKONIH」(アイコニー・逆から読むとひのき)を立ち上げる。わずか7年で売上は10億円超にまで成長。NHKの朝ドラ「おかえりモネ」でも商品が紹介されるなど、注目の企業である。時代の追い風はもちろんのことそれ以上に経営者としての手腕が光る清水社長。その商品開発について尋ねた。

新しい事業モデル 林地残材の活用

事業転換のきっかけは友人経由で知った森林の荒廃と「林地残材」の存在。木を伐採するときに出る枝や曲がり材は使い道がなく残材となって放置される。「まだ使える木材もあるのに、もったいない。この残された木材を利用して荒廃した山を再生できる事業はできないだろうか」そう考えた。(※実はこのとき情報をくれた志水正文さんとは、のちに原木供給会社「桧丸」(八代市)を共同出資で設立。「IKONIH」が誕生するきっかけとなる。)

 

2023年10月号(9/15発行)掲載

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