生配信でウクライナへの関心喚起/ピースウィンズ・ジャパン

1996年に日本で誕生し、世界36の国と地域で、人道支援や災害支援活動を続けてきた認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパン(本部広島県・大西健丞代表理事、以下PWJ)。ロシア侵攻に伴うウクライナ危機を受け、ウクライナや隣国モルドバへの人道支援活動を続けている。

ロシアによる軍事侵攻から半年を迎えた8月24日、PWJはオンラインイベント「ウクライナ活動報告会〜ウクライナとモルドバをオンラインで繋ぐ〜」を開催し、ウクライナ国内外での支援活動の現状をYouTubeで配信した。企業連携兼広報の新井杏子氏の司会進行のもと、ウクライナやモルドバに駐在するスタッフから現地の様子を生中継(マイナス6時間の時差)した。なお、8月24日は、ウクライナの旧ソビエトからの独立記念日(1991年)でもある。

冒頭、広報の町浩一郎氏が2月27日から開始した支援活動の流れを紹介し、続いてウクライナ事業代表の福井美穂氏とウクライナ事業担当のBokhtar Bakozoda氏がモルドバから中継で現状を語った。

現在ウクライナ国内で大きく4つのNGOや民間組織と一緒に食料・医薬品支援、避難所支援、ペット連れの支援などに取り組んでいる。福井氏は「住民、国民避難民のニーズは、現金給付、次に医薬品や医療サービスです。今はドネツク州全体の前線で砲撃が激化し、暖房を必要とする冬を迎える前に避難を終えなければいけない。医療機関や福祉施設も満員で、支援が乏しいとの理由で避難命令を拒否するなど課題は深刻」と状況を説明。「紛争開始当初に比べると、各国で支援疲れや戦争疲れが顕在化している。NGOとして今必要なニーズの情報発信を継続し世論のウクライナへの関心を喚起することが重要」と述べた。

 

2022年10月号(9/15発行)掲載

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