商品開発/アレルゲンフリースイーツ工房omoや545「ITとモノ作りと地域活性」

東京のIT企業㈱FLC-design(※1)が本社を品川区から岡山県に移転したのが今から6年前。社長の中里真一さんの心のなかにずっとあったのが、データのやりとりのみで完結するITの世界からもっと恵み豊かなところで、このIT技術をモノ作りに活かしていきたいという思いであった。

岡山に移住が決まると、早速新たに飲食部門を作り、アレルゲンフリースイーツ工房「omoや545(おもやごーよんごー)」をスタートさせる。陣頭指揮をとるのは料理研究家の仲田早苗さんだ。現在はスイーツ販売のみならず、カフェや宿泊施設も運営している。新天地で出会った地元の人達との交流や、こだわりのモノ作りについて尋ねた。

「御津五城」との出会い

東京からの移転先を長らく探していたという中里さん。なかなかピンとくるところがなく、諦めかけていたときに出会ったのが現在の「御津五城」だ。岡山市郊外にある里山集落。自然豊かな高台に築150年以上経つ旧庄屋屋敷が建っていた。全国の物件を数々見てきた二人が最終的にここに決めたポイントは「思い描いていた条件に見事にマッチした場所だったから」という。

まもなくして本社を移転、中里さんらは積極的に地元の住民と交流する。そこで知ったのは地域が抱える課題「過疎化」だった。当初はコワーキングスペースなどを考えていた庄屋の建物だったが、「みんなが拠り所となるような場所」として、地域のために使うことを決意する。

 

2024年4月号(3/15発行)掲載

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