インタビュー/(株)伏見上野旭昇堂 上野泰正 社長
今年の夏物商品の販売状況ですが、イベントなどで配るポリうちわは去年は大きく減少し、今年も5月の連休まで大口の需要は消滅していました。ただ、5月以降、6月に入ってからは暑くなるとともにイベントやコンサート、野球観戦などが開催されるようになり、ポリうちわは昨年の1・5倍ほどの注文がありました。ネット会社など小口の注文が多いですが。竹うちわも大量注文はないのですが、社会的な「脱プラスチック」の動きもあって、国内生産品は以前に戻らないにしても、小口も含めて注文はコンスタントにありました。
竹うちわや扇子の中国生産品は、ゼロコロナ政策によるロックダウンの影響を受けました。商品の運送や輸出業務が完全にマヒし、1カ月近くの遅れが出ました。
夏物商品の販売は全体的には昨年と比べて微増ですが、3年前と比べるとまだ30%ほど減少しています。在庫商品は2年間ほど売れない状況が続いたので、通常の既製品の生産は抑え気味で推移しています。ただ、国内で作る商品の生産能力は不安定化している状況にあり、会社内部で行う内製化を強化する必要があります。
2022年月号(8/15発行)掲載