【ブライダル】LEMO「ギフトウェディング」挙式中心からギフト主体のサービスへ

ブライダルギフト事業の㈱LEMO(東京都渋谷区)が昨年9月に開始した引き出物宅配サービス「POSTAL」。カタログギフト、引き菓子、縁起物の3点セットをゲスト宅にポスト投函で贈るというものだ。再配達問題など宅配サービスの課題を解消し、厚み3センチでありながらクオリティの高い商品やパッケージを実現している。

そして4月、同社は「POSTAL」に次ぐ新サービス「ギフトウェディング」をリリースした。挙式や披露宴に捉われない、ギフトを軸にした業界初のサービスで、新しいウエディングの在り方を提案する。

新型コロナウィルスの影響で挙式の自粛や延期が相次ぐなか、予定より早く発表したと小川学社長。その理由を含め、新サービスについて話を聞いた。

手元に届くまでが「演出」

前職は大手IT企業ヤフーのUIデザイナーという小川社長。自身の結婚式で引き出物選びに苦労した経験が起業のきっかけになったという。当初はオンライン上で自由にカタログギフトを制作するサービスを展開してきたが、引き出物を宅配したいという要望が増えたことで「POSTAL」を立ち上げた。

「POSTAL」が支持される理由は、新郎新婦とゲスト双方の目線を考え尽くしているからだ。

「手ぶらで帰れる」「配達時間を気にせず受け取れる」といった利便性はもちろん、引き出物3点を国内産のオリジナル木箱に詰め、従来のダンボールのそっけなさを払拭。梱包材なしにぴったり箱に収めるため、引き菓子や縁起物は一から設計し、オリジナル製作した。「引き出物は結婚式を向上させる存在でなければいけない」という小川社長の想いがはっきりと現れている。

ブライダルのカジュアル化が進み個性が求められているが、披露宴は衣装、料理、演出が優先され、引き出物は相変わらず『相手に失礼のない無難な品物』が挙式プランの最後に選ばれることが続いている。

「その流れを完全に無視できませんが、新郎新婦が能動的に選びたくなるようなサービスを提供することで、これまでの義務感に近い選び方はなくなると思います。ユーザー(新郎新婦、ゲスト)の視点は確実に変化していますから、従来通りにしていてはギフトだけが時代に取り残されます」。

続きは2020年6月号(5/15発行)掲載

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