日本カレンダー暦文化振興協会(暦文協)は、9月1日、東京大学弥生講堂で第13回総会とサイエンスライター今井明子氏による「日本の暦と気象」と題する講演会及びトークセッションを開催、コロナ明け4年ぶりの懇親会では暦談議に花を咲かせた。
総会では2024年度版暦文協オリジナルカレンダーの発表、日本印刷産業連合会主催の全国カレンダー展に暦文協の名を冠した賞が新設された旨を報告。議事では、令和4年度の事業報告と収支決算、令和5年度の事業計画案と収支計画案が可決、承認された。
講演「日本の暦と気象」 講師/今井明子 氏
なぜ地球には四季があるのか。地球は太陽の周りを1年かけて一周しますが、地球の地軸は23・4度傾いていて、その傾きが地球に四季がある理由です。もし直立していたら太陽は常に赤道の真上にあり、季節の変化はなくなります。もし地軸が水平だったら昼夜が固定され季節変化が激しくなります。つまり、23・4度の傾きがほどよい変化をもたらしています。
北半球の春分秋分は昼と夜が12時間ずつで、太陽は真東から出て南の空を通って真西へ沈みます。夏至には遠回りをして真東より北側から出て真西より北側へ沈むので太陽の経路が長くなります。冬至は逆で真東より南側から出て真西より南側に沈むので太陽の経路はショートカットされます。夏と冬の暑さの違いは、太陽高度の違いです。例えて言うなら懐中電灯を真上から照らすと、照らした形はまん丸で明るいですが、斜めから照らすと光は楕円形で少し暗くなるのと同じで、真上から太陽に照らされると地面が受け取るエネルギーが大きいということです。
太陽から受け取るエネルギーと地球が宇宙へ放出するエネルギーは全く同じです。太陽から受け取るエネルギーは昼間だけで、高度が高いとたくさん受け取れますが、地球から放出するエネルギーは昼夜関係なく地球全体から出ています。ということは地域によってたくさん受け取れるところと出ていくほうが多いところがあるのです。それを踏まえて、各地の太陽の動きを説明します。
2023年11月号(10/15発行)掲載