数年前から始まったギフト総合カタログのA4判移行は、24年度版をもってほぼ終えた。ここ数年の印刷用紙の高騰は、もともとの人口減少、ICT化による紙需要の減退という構造的な要因に、原油などの燃料価格の上昇が追い打ちをかけたもの。パルプを作る工程での燃料が占める割合は大きく、需要不足による紙価格の上昇傾向はDX化（ペーパーレス）の流れも相まって今後も続くと見られている。
「カタログ用紙や梱包箱をA4規格に改編したコスト削減効果は結構あった」という発行元の事情改善は、「少し軽くなり、扱いやすく見やすい。書棚にもきちんと収まる」「今後の郵便、配送事情を考えれば、A4定型でいいのでは」と販売店やユーザーの現場サイドからも好感を持って迎えられている。
高額対応と買い替え需要
「総合カタログのボリューム感は維持したい。ページネイション（頁割）の工夫と誌面構成（切り口）を見直しながら商材を吟味した」というのが大方のカタログ制作の方針だ。
昨年に続き注力されたジャンルは「防災防犯」。阪神淡路大震災以後、この分野を強化し続けてきた三喜は、「消費者が買い置きしにくい商品ですが、防災食品や電池ものなどは適宜賞味したり使えますので」とギフトや販促品と非常に親和性が高いとし、巻頭から45頁を防災防犯に割いた。法人系カタログから始まった防災防犯特集は、今年あたりから家庭系カタログでも企画ページが散見されるようになってきた。
2024年3月号（2/15発行）掲載
