同社は昨年に引き続いて、2023年も「資材の紙箱化」を推し進める。環境問題やSDGsの動きに配慮し、全商品で外装化粧箱を紙箱にリニューアルする。
2022年の販売状況について。コロナの影響でネット購入の顧客が急激に増加したが、2022年はその傾向が落ち着きを見せている。行動制限が緩和したことで購買客が戻って来たが、コロナ前との比較では微減の状態だ。お食事処はまだ席数の制限などがあり、コロナ前の水準まで回復していない。百貨店ルートは制限緩和による人流増加で家庭用が好調だったが、中元は伸び悩んだ。「中元ギフトが多様化した」と推測している。
直営店は昨春から客数が大幅に伸びている。全国旅割も客数の増加を後押しした。ネット販売は21年に需要が急激に伸び、特需に近い状況を生んだ。外での消費が少なく、家庭内で贅沢する傾向が強く出た年だった。
2023年は自社調理麺工場・製麺工場の生産力を強化する方針だ。同社は一昨年から調理麺(電子レンジで簡単に調理できるにゅうめん)の加工を自社工場で行っており、自社販売分の調理麺については、全数(そばを除く)の自社製造が可能としている。調理麺は年々需要が増えており、供給量の増加に向けて今期は一層の生産力強化を図る。
今期、すべてのギフト商品が紙箱にリニューアルした同社、主力商品の拡販に一層力を注ぐ。看板商品の「白龍」は直径約0・6ミリの極細麺。絹のようななめらかな口当たり、絶妙なコシと喉越しが特徴だ。「白髪」は直径約0・3ミリの超極細麺。限られた職人しかつくれない、同社最上級の逸品。本店限定商品。「白龍・白髪詰合せ」も本店限定商品。今年は新たに低価格帯商品(2000円)を投入した。「糸依プレミアム2年熟成」は、じっくり熟成することで極められたコシと小麦の旨味が特色。「№90」は直径約0・9ミリで、スタンダードな細さ。人気商品だがギフト用では新発売。
2023年4月号(3/15発行)掲載