コロナ禍で迎えた2回目の中元商戦。6月20日に9都道府県の緊急事態宣言が解除されたが、7月までまん延防止等重点措置が施行されるなど、依然厳しい状況が続いた。しかし今年は「コロナ慣れ」で外出する人が増え、緊迫状況にあった昨年に比べると回復傾向にある、と流通業界では捉えられている。百貨店2社に聞いた。
百貨店A(東京都)「コロナ禍開発の商品、大好評」
全体の売上げは若干マイナスで着地。「昨年は切羽詰まった状況だったが、強化したECが前年比約140%と爆発的に伸びた。今年は、ECを利用していた顧客が感染対策の習慣化により店頭に戻ってきた。そのことによりECは一桁増に落ち着いた。さらに今年はリニューアルでギフト売り場をなくした店舗もあり、店舗全体の売上げに大きく影響した。この事態を除けば店頭も大健闘。全体的に堅調に推移したと感じている」と担当者。
商材は「昨年からウナギは鰻登り(笑)です。炊き込みご飯でもウナギをトッピングするだけで売れます。高額ですから、ギフトで貰うと満足感が高い」との回答。他にも洋菓子・和菓子と惣菜が堅調だった。素麺は当初予想よりも落ち着いた売れ行きとなった。調理、つゆを用意するなど手間暇かかることが伸びが抑えられた要因の一つではないかと語る。
続きは2021年10月号(10/15発行)掲載