暦文協 定時総会・講演会「新役員選出、 講演パネルで見聞深める」

9月5日、(一社)日本カレンダー暦文化振興協会(暦文協)は定時総会、染織家の吉岡更紗氏を迎えての講演会・トークセッションを開催した。会場は東京大学弥生講堂一条ホール(東京都文京区)、リモートによる同時配信も行われた。講演会の参加者は約135名(会場55名、リモート約80名)。

総会では報告事項のほか任期満了にともなう理事・監事の改選(3名の交代と1名の増員)の議決などが行われ、今後の予定として、オリジナルカレンダー、12月3日のカレンダーの日に明治神宮にて行う「新暦報告参拝」などについて発表があった。

「日本の伝統色と暦」講師/染織家 吉岡更紗氏

「染司よしおか」の創業は江戸の終わりで、植物で染色しております。明治に入り西洋から化学染料が伝わってまいりまして、2代目の後半と3代目は化学染料で仕事をしておりました。4代目の祖父が戦後稼業を復活する際に奈良の正倉院展で見た1300年前の植物での染色の美しさに感動、すでに失われた技術に研究を重ねて復興させ、5代目の父の代からは完全に植物のみでの染色工房になりました。

最初の伝統色

今も伝統色の名前は増えていて、全部数えると多分300〜400あります。最初にできた色の名前は赤(アケル・朱・弁柄)と黒(クレル・墨)の2色で、夜が「明けて」日が「暮れる」ことから赤と黒という名前が生まれたのではと言われています。

縄文時代などの狩猟採集時代、朱や弁柄のような土に含まれる鉱物などの赤、煮炊きをする時に鍋の底につく煤や炭を使った黒といった顔料で衣服や器に装飾をしたり、入れ墨を入れることで自分や家族、部族などをあらわしたと言われています。

 

2024年11月号(10/15発行)掲載

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