記録的な猛暑が続くなか、酒類や飲料の売上が好調だ。売場には、魅力的な商品が所狭しと並ぶ。
今回は「さらりとした梅酒」のテレビCMでもおなじみ「チョーヤ梅酒」五代目社長の金銅重弘さんにお話しを伺った。
創業111年。ワインの製造・販売でスタートした同社が梅酒へ大きく舵をきるのは、現社長の祖父にあたる創業者金銅住太郎氏の「先見の明」にある。当時住太郎氏が訪れたフランスでの体験(本場ワインには今後太刀打ちできないとの思い)が、のちに海外90カ国以上での梅酒販売に成功する現在の躍進へとつながっている。
作るものから買うものへ
日本で梅酒が作られるようになったのは文献によると江戸中期。今から300年ほど前である。
チョーヤが梅酒づくりを生業にした当時は、今と違って「梅酒は家で作るもの」と考えられていた。英断によって始めた事業だったが、作っても売れない試練の時代が続いたという。
そんな梅酒の製造・販売が徐々に好転していく背景には、二代目社長が始めた全国展開のテレビCMや、消費者のライフスタイルの変化にあったと金銅社長。核家族化が進むにつれ、梅酒を作らない世代が増えて、「梅酒は買うもの」という風潮へ変わってきたのだ。
2025年9月号(8/15発行)掲載