ペットは家族。そんな意識の広がりを背景に、ペット産業は健康、防災、共生社会、教育など多様なテーマを包含する市場へと進化しつつある。
6月13〜15日、インテックス大阪で開催された第3回「インターペット大阪2025〜人とペットの豊かな暮らしフェア〜」は、その象徴ともいえる展示会となった。
来場者数は2万6379名(前年比+41%)と大幅増。出展社も318社(国内275社・海外43社)に拡大し、初日はビジネス商談日、週末はファミリー層で賑わう盛況ぶりだった。従来のペットフードやグッズに加え、「防災」「IT」「健康ケア」「参加型イベント」などの要素が来場者層を広げる要因となった。
さらに、ペットテックゾーンの新設により、IT活用型グッズやペットケア家電が充実。自動給餌器、キャットウォーク、音波歯ブラシといった快適生活を支える製品が人気を集めた。また、プレミアムフード、腸内ケアサプリ、ナチュラル系ペットフードなど健康志向の高まりも顕著。大型犬用カートや車載クレート対応ベースなど、モビリティ分野も注目を集めた。
防災・災害対策の提案も強化。猫飼育者向け企画「Inter Cats」や、グルーミングコンテスト、獣医師体験、フォトスポットなど体験型イベントも人気を博した。
ビジネスの未来像
ペットは今や家族の一員。健康、暮らし、防災、教育まで、ペットと共に生きるための新しい商品やサービスが求められている。今回のパネルディスカッションでは、将来性あるビジネスの条件として「社会課題に寄り添う提案力」が重要と指摘された。
デンタルケアの普及を訴え「歯磨きしないのは虐待」と警鐘を鳴らす声や、高齢ペットの増加に伴う健康管理サービス、ペットパスポートによるしつけを行き届かせることで共生社会を実現すること、飼い主同士のコミュニティ形成、アニマルセラピーの活用などが議論された。
2025年8月号(7/15発行)掲載