カスタネット 植木力 社長「社会貢献の蓄積がビジネスチャンスを生む」

防災用品や事務用品販売の㈱カスタネット(京都市)。ビジネスと社会貢献活動の両輪で事業を展開している。そんなユニークな企業がコロナ禍の2020年に最高益をたたき出した。これまでの社会貢献活動の蓄積が、緊急時にさまざまなチャンスに巡り合わせてくれたようだ。植木社長に“奇跡”のような1年間を振り返ってもらった。

丹後の宮津市に新しいオフィスを建てるということですが。

「私の生まれ故郷である京都府宮津市に、亡くなった両親の土地があるのですが、隣接する土地も借りていました。そこが竹林になってしまったので、周りから苦情が私の方に来ます。地主の方にどうするのかを聞きに行こうと考えていたところ、昨年、偶然にも人混みの四条烏丸で地主さんとばったり出会いました。小学校6年生以来の再会です。話を聞くと、土地の面倒はもう見れないので買ってもらえないかということでした。私の方も十分なお金がある状態ではなかったのですが、どういう勢いか『じゃあ、借金をしてでも買います』と語っていました。

さあ、借金をして土地を購入したものの、何に使うかということです。思い付いたのが、京都は歴史的に地震と感染症に弱いので、本社をバックアップするオフィスを建てようというアイデアでした。そこはリゾート地でもあるので“リゾートオフィス”と名付けました。約300坪。今、建物を建てる準備をしているところで、来年の夏までには完成します。単なるオフィスではなく、都会の人と地域の人が交流する場もつくろうと考えています」

 

続きは2021年2月号(1/15発行)掲載

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