百貨店のアフターコロナ 大丸松坂屋/富裕層「ヤングリッチ」に ギフト提案

昨年10月、大丸・松坂屋を運営するJ・フロントリテイリング㈱(東京都中央区)は、富裕層を対象にした外商の割合を高めることを成長戦略に掲げ、百貨店事業の基盤を富裕層へシフトすることを発表した。コロナ禍でも富裕層の消費は手堅く、今後富裕層市場は安定的に伸びると見込んでいるからだ。

コロナでターゲット鮮明に

㈱大丸松坂屋百貨店の営業本部ギフト企画運営の田中直毅氏は「コロナやウクライナ情勢、原油、原材料の高騰などを背景にした値上げラッシュの影響で、買い控えが強まっています。マーケットが今後一層厳しくなると予測されますが反面、富裕層の消費は全く落ちていません。ここ数年、ECが伸びていますが、なかでも外商(富裕層)が特に伸びています」と語る。

4月末、関西圏の店舗で外商向けのイベントを開催したところ、売上げ目標を難なく達成。コロナ禍で旅行にいかない代わりに、宝石や特選ブランド、絵画などがよく売れた。さらにギフトでも好調が続く返礼需要だが、特に外商の仏事が伸長。家族葬に切り替える家庭が多いなか、富裕層は参列人数の大きい葬儀を開催する傾向にあるようだ。

 

2022年8月号(7/15発行)掲載

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