東京五輪の延期による「東京ビッグサイト」の使用制限(19年4月~21年11月)に関して、発起人572社が窮状を訴える嘆願書を6月9日、小池百合子東京都知事に提出、併せて2800人の賛同署名も提出した。
東京都は東京オリンピック(2020年)の1年延期に伴い、展示会の主要開催地である東京ビッグサイトを引き続き放送施設として使用する計画を発表。この東京都の方針に対し出展社、支援企業(装飾施工、電気工事、機材備品、人材派遣など)からは「このままでは予定された展示会が中止・縮小になり、多くの損害が出る」という窮状を訴える声が主催者に多く届けられた。
これら窮状の声に反応した出展企業502社・支援企業50者・主催者20社の計572社の社長が発起人となり、「深刻な状況を東京都に訴えたい」と強く要望。この声を受け、日本最大の主催会社のリードエグジビションジャパン㈱の田中社長が発起人代表、副代表に同社前社長であり日本展示会協会の名誉会長の石積氏が副代表になった。6月9日、田中代表と石積副代表、出展社と支援企業の代表が東京都産業労働局土村部長を通し小池都知事に嘆願書と2800名の賛同著名を提出した。
嘆願書では、「20年12月以降の全ての展示会が予定通り開催できるよう7万平米の仮設展示場の建設を嘆願します」と訴えている。
東京五輪開催にあたり東京都は、ビッグサイトの約半分(7万米)を放送施設として19年4月から20年11月の20カ月間をIOCに貸すことを決めた。これにより、展示会を開くことが不可能となった。この期間の損害額は出展社が2兆2千億円、支援企業2400億円、主催者715億円の計2兆5115億円にのぼった。これが会期の1年延長(20年12月~21年11月)により、更に1兆5千億円の損害が発生すると分析している。
仮設展示場の建設費は、7万平米で約130億円、5万平米で約90億円程度との試算がある。嘆願書の結びには「仮設展示場の建設は1兆5千億円の損害を防ぎ、新型コロナウイルス後の回復に大きく貢献します」と訴えている。