団扇扇子商況インタビュー

㈱平井星光堂 平井孝治 社長「竹うちわの販売本数が増加

今年の夏は厳しい暑さですが、夏物の動きはそれほど良くはありません。6月末に梅雨が明けて7月も暑いので、もう一山、夏物のピークが来るかと思っていましたが、来ませんでした。ピークは過ぎて終わりを迎えています。従来の販売傾向は、うちわは天神さんの祭りまで、扇子は6月いっぱいまでです。注文が来るのはそこまで。ですから、9月末に残暑が来ても、何の影響もありません。

今年は売上げ的には悪くはないのですが、思ったほどには増えていません。コロナ前の状態にはまだまだです。徐々にその状態に近づいていますが、まだ到達はしていません。当社も値上げで単価を上げているので、売上げは昨年比でトントンくらいではないでしょうか。

㈱伏見上野旭昇堂 上野泰正 社長「日本の贈答品・工芸品としての需要

既成品(通常商品)については、毎年原材料費が上がってくる状況で、単価の方は値上げをお願いしてきました。ご理解を頂き、7、8割の商品は順調に値上げをさせてもらいました。売上げは、金額ベースで昨年と同じくらいです。ということは、数量ベースでは落ちていることになります。単価が上がっているのに売上げを何とか維持しているのは、数量ベースが若干目減り傾向かな、というのが今夏のイメージです。

数量ダウンについては、トランプ関税などの経済情勢の先行き不安感や、7月5日の震災予言による海外旅行者の減少、空梅雨・酷暑で人が出歩かないという事情などが影響したかもしれません。女子高生や若い女性がよく使っているハンディファンの普及も、無視できない動きです。

2025年9月号(8/15発行)掲載

最新情報をチェック!