キクヤ 遠山雅治 社長「三密を回避した〝お別れ葬”を主流に」

香典をクレジットカードで支払い、ネットの画面でお参りする「ネット葬」がコロナ禍で出はじめてきた、という読者の声にもとづき、セレクト編集部では、ネット葬に関しては先駆的な経験のあるキクヤの遠山社長に取り組みの現状を聞いた。

同社ではインターネットで葬式を見たり、モニター画面に向けて焼香をあげる試みを15年近く前から実施。ネット葬の名前で提案しているが、数千人の会員の中で、ネット葬を希望する会員はまだまだ少ないという。

需要乏しいオンライン葬

—貴社では以前からオンライン葬儀を行っていると聞きました。コロナ禍で需要が高まっているのではないですか。

遠山 家族葬が増えている中で、ネット葬を行って誰が見るのかという問題があります。家族葬をするということは、一般参列者に来てもらいたくないということなので、わざわざネットで知らせることはないのです。何百人という参列者が集まるお葬式であれば、『ライブ中継をしてほしい』という声は出るかもしれませんが、今はご葬儀の縮小、簡素化が叫ばれる時勢です。コロナ禍で東京から帰れないのでネットを見るという人に対してはいいサービスだと思いますが、そういうケースは稀です。ネット葬は一見、今の時代に合っているようですが、実はご葬儀に対する価値観が変わってきているという事情を踏まえターゲット、アプローチを変えなければ宝の持ち腐れになってしまいます。

 

続きは2021年7月号(6/15発行)掲載

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