ヒットの軌跡/アルタ「ならでは」の雑貨で 心を掴む

文具やプチギフトなど多種多様なアイデア商品を開発する㈱アルタ(岐阜県大垣市、山口勝三社長)は“市場にないもの”を生みだすことを得意とするバラエティ雑貨メーカーだ。

世に送り出してきたヒット商品は数知れず。代表的な商品に醤油を注ぐと絵柄が浮き上がる醤油皿シリーズや立体貯金箱カレンダー「何円貯まる」シリーズなどがある。人気の理由は、商品の細部に込められたアルタの「個性」、「らしさ」に惹かれるからだ。その魅力はギフトとしても注目を集めている。

他でできるはやらない

創業は1980年。当初は表札の切り文字やオーナメントなどDIY商品を中心に展開していたが、時代の変遷とともに、キッチンやアクセサリーなどバラエティ雑貨の裾野を広げてきた。

これまで開発してきた商品は300シリーズ以上にのぼる。初ヒットは1997年に開発したフロッピーディスクサイズのカレンダー。月表にかわいいイラストを印刷し特徴をもたせた。シンプルな月表が主流だった時代に、ノベルティに採用したいと注文が殺到した。

さらに今や多くの企業が手掛ける「クローバーストラップ」も同社が最初に提案した。本物の四つ葉を樹脂に封じ込めた斬新なアイデアで女性の心を掴み、瞬く間にヒットした。

プチギフトの成功事例もある。ドラジェや入浴剤が主流だった時代に、金太郎飴にした「四つ葉のキャンディー」を打ち出し人気を博した。後に発売した新郎新婦の絵柄を描いたトイレットペーパー「コンビネーションドール」もブライダルギフトの定番になっている。

 

2022年8月号(7/15発行)掲載

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