商品開発/千房ホールディングス「お客様目線で 冷食に進出」

皆さんがご自宅に常備されている冷凍食品といえば何があるだろうか。あるアンケート(※1)によれば、「餃子やシュウマイ」「うどんなどの麺類」が常連組。ここ数年の巣ごもり需要で冷食業界は急激に成長し、冷蔵庫の横にさらにもう一台冷凍ストッカーを購入する世帯も増えているのだとか。

大阪のお好み焼専門店「千房」は、社会活動にも熱心な業界のリーディングカンパニーだが、同業他社の先陣をきって冷食に進出したのは今から26年も前のこと。現在、同社の全売上に占める冷食の割合は約16%。右肩上がりに成長した冷食事業は千房のなかでも躍進がさらに期待される分野だ。

創業者である中井政嗣会長と冷凍食品事業マーケティング責任者の小川博和部長に千房ならではの商品開発秘話やギフトに込めた思いについて尋ねた。

26年前、社内は賛否両論

26年前、中井会長が冷食進出を口にすると、社内は賛否両論に分かれた。それでも決心できたのは「お店に行く手間も省けて手軽に千房の味が家で食べられたら、きっといい」という顧客目線に立ち返ったことだ。

ただ、いざ試作を始めると苦労の連続。当時、最高に美味しい冷凍お好み焼を作ろうと青森の工場で味の試作を繰り返すも、結果はまったくダメだったとか。実は冷凍にする過程で味が変わることが分かり、そこからは千房本来のレシピや作り方は白紙に戻して、一から考え直したのだと言う。

 

2023年6月号(5/15発行)掲載

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