コロナ禍の商品開発/京都深村「新発想のマスクで勝負をかける」

京都市内中心部からは外れた住宅街の中、風情のある京町家にのれんがかかった店舗が「京都深村」である。コロナ禍でヒットしたのは、アマビエどらやきとアマビエTシャツ。店舗の奥ではどらやきを製造中で、甘い香りが辺りにただよう。店内には多種多様なアイテムが並んでいる。深村圭社長の次々と湧き出るアイデアから、斬新な商品が生み出されている。「これから力を入れていきたい新商品」が誕生したと聞き、取材に伺った。

京都にないお菓子を京都で

7年前、京都にない新しいお菓子を作って京都で販売したい、と東京から移住を決断。食品製造ができる条件に合致する物件を探して、見つかったのが現在の店舗兼工場である京都市北区の町家。この地に店を構えたことが様々な商品開発につながっていった。「京都ではちょっと探せば、いろいろな分野で熟練の技を持つ職人さんが見つかります。ご近所付き合いをするだけで助けてくれる人が現れる。こんなものを作りたい、と思えば実現できるのが京都の大きな魅力です」と深村氏。京都の生麩を使ったバームクーヘン、どら焼きを生八ツ橋で包んだお菓子などを開発してきた。京都に移住してコネクションができた、高山寺の鳥獣戯画焼印入オリジナルどら焼きも手掛けるようになった。食品だけにとどまらず、八ツ橋を置くための三角形のお皿、バームクーヘンを置くための真ん中に穴の空いたお皿なども開発。西陣織で作るジーンズ“NISHI JEANS”はファッション業界から大きな注目を浴びた。

 

続きは2020年11月号(10/15発行)掲載

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