海外在住者に聞く「コロナ事情」

国民の協力封じ込め成功

世界の新型コロナウイルス感染者数は4月29日の時点で311万人を超えた。外出禁止令や罰金付きの強制措置、街のロックダウンなど蔓延の危機に各国では異例の対応を迫られ、日本よりも厳しい規制が敷かれている。しかし、政府が国民の行動をスピーディーに規制したことで、封じ込めに成功している国も出始めた。本項ではアメリカ(シアトル、ニューヨーク)、オーストラリア、中国、台湾、アルジェリア各国の現地在住者にコロナ事情を電話取材した。

【アメリカ・シアトル】厳しい規制守り、状況が改善

ワシントン州・シアトルは、非常事態宣言が出されて4週間が経過した。今もなお、食料品や生活必需品の買い物以外の外出は禁止されている。「非アジア系アメリカ人はマスクをしない」とよくいわれるが、今ではほとんどの人がマスクを着用している。マスク不足でスカーフやバンダナを代用するなど、その光景はアメリカでは考えられないほど非日常的、それほどまでに危機意識が高まっている。

食材や日用品の買い物は、アマゾンなどのネット通販が以前より増えているが、配送に遅延が生じていることから、食料品店の利用客は多い。そのため医師や看護師などの医療従事者はIDを提示することで、列に並ばず優先的に入店できるほか、65歳以上の高齢者や持病を持つ人、妊婦らだけが入店できる時間を設けている。また、レジごとのプラスチック製パーテーション設置により客との接触を防ぎ、一人退出したら一人入店するという入店制限など厳しい規則に従わなければならない。

続きは2020年6月号(5/15発行)掲載

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