暦文協ミニフォーラム1/「暦記録」に見る江戸暦問屋

大切な暦の価値と暦問屋の権利を守った、たくましき江戸暦問屋たち

小田島 梨乃 氏(東京大学大学院総合文化研究科 超域文化科学専攻)

 

5月21日、(一社)日本カレンダー暦文化振興協会(暦文協)は、暦文協ミニフォーラム「同士糾合(きゅうごう)小満の集い」をオンライン開催した。開会に先立ち中牧理事長が「本来は昨年、このフォーラムを開催する予定でしたがコロナ禍でやむなく中止となり、1年を経て、本日二十四節気の小満の日に開催となりました。ミニフォーラムという名称を初めて使ったのは、2017年の「暦文化ミニフォーラム」で、本日2回目の開催となりました。当初、会場とオンラインのハイブリッドでの開催を予定しておりましたが、今回もコロナ禍によりオンラインのみでの開催となりました。三名の講師の皆様には、1年を経て満を持してこの講演に臨んでいただきます。対面での開催ができないのは残念ではありますが、大阪や九州など遠方からでもご参加いただけるというメリットもあります。楽しく有意義な時間を共有できればと思います」と挨拶した。本号では、小田島梨乃氏の講演とQ&Aを抄録した。

毎年ヤキモキする江戸の暦問屋

先の見通しが立てづらい情勢が続く中、ここ数年はカレンダーについても大きなニュースが多くありました。令和への改元やオリンピックの開催に伴う祝日の変動など、普通には起こりにくいようなイベントが次々と起こりました。私のような一介の研究者からすると、このような珍しいイベントに立ち会えて幸運だなあと呑気にかまえていたのですが、カレンダー業界の皆様にとっては、印刷スケジュールはどうなるかと本当に大変な時を過ごされたのではないかと推測します。

 

続きは2021年7月号(6/15発行)掲載

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